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All IPCC definitions taken from Climate Change 2007: The Physical Science Basis. Working Group I Contribution to the Fourth Assessment Report of the Intergovernmental Panel on Climate Change, Annex I, Glossary, pp. 941-954. Cambridge University Press.

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樹木年輪の気候復元は1960年以降機器計測データから分岐してる

科学的知見...

この「分岐問題」は物理的現象です。樹木の生長は過去数十年、得に北の高緯度辺りで遅くなってます。分岐問題は前例が無く、過去数十年で起きた事なので原因が人為と思われいます。温暖化によって引き起こされる干ばつや地球薄暮化などの地方的、世界的な因子が原因の可能性が高いです。1960年以前の樹木年輪のプロキシ(指標)は計測機器データや他のプロキシの軌道と重なってます。

懐疑論...

実際の気候復元は20世紀後半の機器測定データ時系列から「分岐」している。例えば、本来のホッケースティック曲線の先端はわずかに下向きです。この時系列の平滑化にどんな方法を使っても機器計測データと分岐します(Climate Audit)

樹木の生長は温度に敏感です。したがって、樹木年輪の幅と密度は生長の指標として使える事ができ、気温のプロキシとしても有用です。古代の木を測る事によって、1000年以上前の気温を復元する事ができます。直接計測された気温と比較して、高い相関関係が得られます。しかし、高緯度では1960年以降、相関関係があやふやになります。この時点からは、気温が上がっているにもかかわらず、年輪の幅は下落傾向を示します。この気温の年輪プロキシの分岐が分岐問題(divergence problem)と呼ばれます。

この分岐問題は査読を受けた文献では1990年代以来、議論されてきています。この時に、アラスカの樹木の研究で気温の信号が近年弱まってきた事が分かりました(Jacoby 1995)。この研究は以後ひろげられ、300以上の年輪記録を高緯度地域で収集されました(Briffa 1998)。1880~1960年、計測機器の記録と年輪プロキシの記録が高い相関関係を保ってます。この期間はプロキシとしての仕事をこなしていました。しかし、1960年あたりにこの相関は崩れます。高緯度地域の樹木は広範囲にわたって成長速度が変化しました。

 

図1:20年平滑された年輪幅(破線)と年輪密度(太い実線)の時系列。同地域での4月~9月の気温偏差(細い実線)(Briffa 1998)

この現象は過去に起きた事があるのだろうか?すなわち、年輪の生長度は気温のプロキシとして信用できるのか?Briffa1998の研究では1880年あたりまでに、近い一致が見られます。これより前の期間では、北と南のエリアで分けた木のネットワークを検証したものがあります(Cook 2004)。結果によると、北のグループでは1960年以降の分岐が見られ、南のグループでは近年の温暖化傾向と一貫しています。分岐問題の研究結果の一般的な傾向でもあります。中世にまで年輪プロキシは気温と重なるので、この分岐問題はここ数十年の期間特有と言えます。

これによって、樹木生長の低下は人為起源だと示唆します。査読された研究の評価を以下にリストアップしました(On the ’divergence problem’ in northern forests: A review of the tree-ring evidence and possible causes (D’Arrigo 2008))。

  • 様々な研究結果では、アラスカ樹木生長の低下と温暖化起源の干ばつと一致します。気温と降水量の記録と結合すると、生長の低下は比較的暖かく、乾いている場所で頻繁です。
  • 日本とババリアの研究では二酸化硫黄の上昇が原因だという結果が出ています。
  • この分岐問題が広範囲に渡る現象なので、Briffa1998は同じく広範囲に影響が可能な大気汚染が原因だという可能性を示唆しました。後の研究では、オゾン層破壊による紫外線(UV-B)放射線の発生率上昇とリンクされ、分岐問題の原因の一つと挙げられています。
  • これと関連するのが地球薄暮化です(地表に届く太陽放射線の低下)。地表に届く太陽の光線は1961年から1990年までに4~6%減少しています。
  • もう一つの研究では、ミクロサイトの影響で個々の木が干ばつのストレスに覆われる可能性を示しています(例:木がある位置の傾斜、永久棟土層までの深さ)(Wilmking 2008)。この論文では分岐問題の事を「分岐効果」と呼ばれています。

分岐問題は局地的、地域的、世界的な原因だという証拠が残されています。一言で言える決定的な理由がある可能性は低いです。おそらく、上記で挙げた証拠の複雑な組み合わせであり、多くの木や地域は地球全体の気候変動に関係無いかもしれません。

一つ言える事は、科学者達が分岐問題を隠蔽していたという描写は誤っています。この樹木年輪の分岐問題は査読された文献で少なくとも1995年以来議論され続けています。文献を熟読してみれば次の事が言えます:

  • 分岐問題は物理的現象です -- 木の生長は過去数十年で遅まり、ほとんどは高緯度地域で起きています。
  • 分岐問題は過去1000年の気候では前代未聞で、原因は人為的である可能性が高いです。
  • 具体的な原因としては、地域的と世界的な因子の組み合わせだと思われます(温暖化による干ばつや地球薄暮化など)。
  • 樹木年輪のプロキシの復元は1960年以前は信用できていた。

Translation by apeescape, . View original English version.



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